2010年11月16日、ユネスコはフラメンコを人類の無形文化遺産の代表的な一覧表に記載した。これはその申請書に添えられた映像であり、ユネスコが当該案件の公式ページで公開しているものである。2009年にアンダルシアフラメンコ振興機構が制作した10分の作品だ。その下に、申請の際に提出された本文を掲載する。
『フラメンコ』(10分)。ユネスコ申請案件 00363 のためにつくられた映像。2010年11月5日、ユネスコ公式 YouTube チャンネルで公開。© 2009 アンダルシアフラメンコ振興機構。
いつまでも祝われる日
無形文化遺産に記載された翌年、アンダルシア州政府は、この出来事を毎年記念し、この文化遺産の重要性を思い起こすために、その日を「アンダルシアのフラメンコの日」と定めた。
それ以来、講演会、展覧会、コンサート、公演などの催しとともに、世界各地でも祝われている。
フラメンコはこう紹介され、そして無形文化遺産になった
ユネスコは当該案件のページでフラメンコをこう説明している。フラメンコとは、声楽、舞踊の芸術、そして楽器による伴奏が融合して生まれた芸術表現であり、それぞれカンテ、バイレ、トケと呼ばれる。フラメンコの故郷はスペイン南部のアンダルシア地方だが、ムルシアやエストレマドゥーラなど他の地方にも根をもつ。
カンテは、ふつう男女いずれかが独りで、座って歌う。悲しみ、喜び、悲劇、歓喜、恐れといったさまざまな感情と心の状態を、簡潔で飾らないことばの力によって表現する。
バイレは、情熱と誘惑の踊りであり、やはりさまざまな感情を表現する。その技法は複雑で、踊り手によって解釈が異なる。男性ならば足さばきを中心に力強く踊り、女性ならばより官能的な動きで踊る。
「フラメンコはアンダルシア文化のグアダルキビール川であり、国の内でも外でも、私たちが何者であるかを示すものだ」アンダルシア・フラメンコ研究所
フラメンコギターのトケは、ずいぶん前からカンテの伴奏という本来の役割を超えている。カンテにはカスタネットなどの楽器のほか、手拍子(パルマス)や足を踏み鳴らす音も添えられる。
フラメンコは宗教的な祝祭、儀礼、秘跡の式典、私的な祝いの場で演じられる。多くの集団や共同体、とりわけその発展に決定的な役割を果たしてきたヒターノ(ロマ)の共同体にとって、アイデンティティのしるしである。フラメンコは、芸術家の家系、家族、フラメンコ愛好会(ペーニャ)、そして社会的な集まりのなかで受け継がれており、それらがこの芸術の保存と普及に決定的な役割を担っている。
ALL FLAMENCO で観る
ユネスコが人類の無形文化遺産と認めたものは、一つの文書におさまるものではない。それは舞台の上に、そしてそれが受け継がれる家々のなかにある。ALL FLAMENCO のカタログにあるこの4作品は、どんな定義よりもそれをよく伝えてくれる。しかも最初の一本は、この記事の冒頭の写真が撮られた公演そのものである。




